たこつぼノート

日記気分が抜けやせん

ACTと感謝

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ポジティブ心理学の文脈で、感謝が出てくることがあります

Kurzgesagtもこういう動画を出していましたよね。

感謝をすることがウェルビーイングに寄与する、という言説が心理学にはあるのです。

今までなかなか興味深い知見だなあと思いつつも、それが臨床に応用できるとは思っていませんでした。

ところが。


ACTでも感謝が出てくることがあるのです

ストローサル&ロビンソン*1にはこんな記述があります。

感謝の気持ちを表すには、一日の始まりに、うれしいと感じる具体的な何かについて人生にお礼を言うのもよいでしょう。人生にありがとうの手紙を書くのもよいですし、毎日を喜びとともに迎えて、その日に起こるであろうあらゆることを歓迎する、ある種の儀式を行ってもよいでしょう。

初版 p.415-416

これを見て私ははじめ、「なぜこんなうさんくさいスピリチュアル本のようなことを言い出すのだろう」といぶかしく思ってしまったのですが、よく考えると筋が通っていることに気づきました。

ACTの思想の基本は二ーバーの祈りです。変えられないものについては受容する、変えられるものは全力で変える。

感謝が受容の一形態として考えられているとしたら、辻褄が合うのです。*2

言うまでもなく過去の人生は「変えられない」ものですし、他人の信念や行動も「変えられない」ものです。

ACTでは感情や自動思考(反応性のマインド)なども「変えられない」ものとみなすのですが、本を読みなおしてみると、やはり「反応性のマインド」に対しても感謝しなさいと書いてありました。

マインドがそのように思考するからといって、それが真実だとは限りません。そうした理由をよこしてくれたことに対して反応性のマインドにお礼を言ってから、賢いマインドの声に耳を傾けましょう。

初版 p.269

なるほどなるほど。

どうも私の解釈は正しいっぽいですね。


ACTはまだ新しい治療法なので、

古典的CBTに比べてどういう場合により有効なのかとか、そういうことはまだあまりよくわかっていません。

慢性疼痛に対して古典的CBTより有効であることは確かなようですが。*3

もちろん、だからといって「有効な手法だった」と結論付けるわけにはいきません。しかしすでに臨床に応用されてるということは確かなわけです。

いや、かしこくなりました。

*1:ストローサル&ロビンソン「うつのためのマインドフルネス&アクセプタンスワークブック」星和書店, 2018

*2:しかしいくら理論的に整合性があっても、ダサいことは否めませんね

*3:アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)による 事例研究の意義とは何かhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jjbt/42/2/42_420201/_pdf